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  • 2024/03/13 18:22

    「樹がおどれば かぜがふき、
    樹がしずまれば、かぜもやむ。」

    この含蓄に富む、
    尹東柱(ユン・ドンジュ)の「樹」という詩の一節が登場するのが

    「風が樹木を揺さぶり動かすのではなく、そのものがあるがままに存在することが、この世界を動かし、形作り、存在させているのだ、と教えられる。」(P.40)

    小説の中で、尹東柱の詩がたびたび登場し、
    主人公たちの心象が描かれます。

    この小説は、
    韓国のベストセラー作家コン・ジヨン氏の著作と、
    辻仁成氏の著作があり、コラボ作になっていて、
    それぞれ女性の視点、男性の視点で物語が語られます。

    辻仁成氏と江國香織氏の「冷静と情熱のあいだ」と同様のコラボ手法ですね。

    この「樹」という詩が登場するのは、辻仁成氏の著書のほうです。

    日本男性と韓国女性の恋愛小説で、
    近くにいるのに距離を感じてしまったり、感情と現実のギャップ、
    どうしても国籍を意識してしまう国際カップルのジレンマが繊細に描かれます。

    二人の出会いは、東京・井の頭公園の池。
    小説の最後のシーンがソウル近郊の盆唐(ブンダン)エリアにある池。

    過去と現在、理想と現実、本音と建て前等、
    二人の気持ちの揺れ動きを二つの池が象徴的に描いているようで印象的でした。

    現在、「Eye Love You」というドラマがTBSで放送中ですが、
    韓国人俳優チェ・ジョンヒョプさんが出演していることで話題になっていますね。

    「愛のあとにくるもの」も、韓国でドラマ化されるということで、
    日本と韓国で撮影が行われるとのこと。

    日本での撮影では、こんな→エキストラ募集情報も出てました。

    男性主人公を坂口健太郎さん、女性主人公をイ・セヨンさんが演じるようですよ。
    2PMジュノさん主演の韓国時代劇ドラマ「赤い袖先」に出演されていた女優さんですね。

    今から放送が楽しみです。


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