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  • 2022/08/10 10:25

    いつもブログを読んでくださり
    ありがとうございます!

    今、「フィフティ・ピープル」という韓国の本の
    日本語翻訳版を読んでいます。

    もともと、大好きな作家、小川糸さんのエッセイの中で知り、
    早速図書館で借りてきました。

    ちょうど今、半分くらいまで来たところですが、
    ずっと気分が重いです。
    もう、返却しようかなと、ちらっと思ってしまうくらい。

    でも、ついつい、ページをめくってしまう。
    なぜなら、前の章の主人公が別の章にエキストラで登場してきて、
    この人、どの章にいた人だっけ?と、ページを戻ったり進めたりしながら、
    見つけ出すのが、カードゲームの神経衰弱のようにちょっぴり楽しいから。

    大学病院という、
    様々な事情を抱えた人々が行き来する場所でつながる50人を、
    1人1章でその人生のひとコマを描いています

    つながる場所が、空港ではなく、大学病院だというところが、
    この作品に重量感を与えている気がします。

    病院で働く医師、インターン、広報担当、警備会社の社員、患者そしてその人々の家族や友人たち。

    様々な立場の人たちなのに、皆、等しく、人生の厳しさや虚しさと向き合っているというところが、読んでいてつらくもあり、また勇気をもらう部分でもあります。

    「全国がみんなそっくりだ。ぶざまさが、そっくりだ。」

    描かれる50人のうちのひとり、キム・イジンが、
    1歳になる子を子育て中の旧友を訪ねたその帰路に、
    味気ない街並みを見て思う言葉。

    隣の芝生は青く見えても、
    皆、それぞれに事情を抱えながら懸命に生きている、
    ということに気づかせてくれるシーンでした。

    この本は、「主人公がいないと同時に、誰もが主人公である物語」(P.471)で、著者であるチョ・セラン氏が日本を旅行中、渋谷のスクランブル交差点をビルの上から眺めた時に、物語の構想を得たそうです。

    タイトルは「フィフティ・ピープル」ですが、
    実際は51人の物語とのこと。また、主人公として章を持たずに、所謂エキストラとして、あちこちの章に登場する人物もいるとのことで、数え方によってはそれ以上の人数の人生模様が描かれているのだそう。

    ご興味のある方は是非、読んでみてください。

    「フィフティ・ピープル」チョン・セラン・著 斎藤真理子・訳 亜紀書房(2018)

    ところで、この本の原題を調べたところ、
    同じフィフティ・ピープルなのですが、
    韓国語にすると피프티 피플。

    ハングルを読める方はおわかりになるかと思います。
    これ読むと、ぴぷてぃぴぶる。

    韓国語には日本語にない音がたくさんあるので、
    日本語では正確に発音を表せないのですが、
    そうでなくても、発音の難しいタイトルだということが
    想像つくかと思います。

    あまりにもパ行が多くて、
    新しい早口言葉を発見したような気分になりました♪

    当店のブログでは、今後、
    このような、ちょっとした韓国語の話なども書いていきたいなと
    思っています。


    書影は「版元ドットコム」からダウンロードしたものです。